「腰椎椎間板ヘルニアと言われたから、できるだけ動かないようにしている」
「また痛くなるのが怖くて、前屈やスクワットを避けている」
このような方は少なくありません。
もちろん、強い痛みやしびれがある時期に無理をする必要はありません。しかし、症状が落ち着いてきたあとも「腰を守ること」だけを続けていると、身体を動かす選択肢が少なくなってしまうことがあります。
コンディショニングジムアートでは、腰椎椎間板ヘルニアの方に対して、単純に「腰を鍛える」「ストレッチをする」という考え方ではなく、大きく3つのステップで身体をみていきます。
① まずは「圧迫ストレス」を取り除く
最初に考えたいのが、腰に繰り返しかかっているストレスです。
立つ、座る、しゃがむ、物を持つ。
日常生活ではさまざまな動作を行いますが、そのたびに腰ばかりを使っていると、同じ場所に負担が集中しやすくなります。
大切なのは「腰をまったく動かさないこと」ではありません。
股関節や胸郭など、腰以外の部分も使える状態をつくり、腰だけに負担が集中しない身体を目指すことです。
呼吸や姿勢、股関節の動きなども確認しながら、その方の身体の使い方に合わせて腰へのストレスを減らしていきます。
② 次に「動くことへの恐怖」を取り除く
腰椎椎間板ヘルニアでは、身体そのものだけでなく、
「前にかがんだら、また痛くなるかもしれない」
「重たいものを持つのが怖い」
「運動したら悪化するんじゃないか」
という恐怖が残っていることがあります。
一度強い痛みを経験すると、痛みが改善していても無意識に身体を固めたり、特定の動きを避けたりするようになります。
すると、本来できるはずの動作まで「危険な動作」として身体が避けるようになり、動作の選択肢がさらに減ってしまうことがあります。
そのため、いきなり大きな負荷をかけるのではなく、
「この動きなら大丈夫」
「ここまで動いても痛くない」
という経験を少しずつ増やしていくことが重要です。
身体を動かすことに対する安心感を取り戻していくことも、コンディショニングの大切な役割だと考えています。
③ 「動作の選択肢」を増やす
痛みが落ち着いたら終わり、ではありません。
最終的に目指したいのは、身体がさまざまな動きに対応できることです。
例えば、しゃがむ動作ひとつをとっても、人間の身体にはさまざまな方法があります。
ゴブレットスクワットのように身体の前で重りを持ってしゃがむ方法もあれば、ヒップヒンジを使って股関節を中心に動く方法もあります。
スプリットスクワットのように左右の脚を前後にして身体を支える動作もあります。
どれか一つの「正しい動き」だけを覚えるのではなく、状況に合わせて身体の使い方を変えられることが大切です。
「腰は絶対に丸めてはいけない」
「常に骨盤をニュートラルにしなければいけない」
と一つの動作だけに固定するのではなく、まず安全にコントロールできる動作をつくり、そこから少しずつ身体が対応できる範囲を広げていきます。
④ 最後は「歩行動作」につなげる
トレーニングで身体を動かせるようになっても、それだけでは十分ではありません。
最終的に大切なのは、獲得した動きを日常生活の中で使えることです。
その代表的な動作が「歩行」です。
歩行では、ただ脚を前に出しているわけではありません。
片脚で身体を支えながら重心を移動し、股関節を使い、骨盤や胸郭が連動しながら次の一歩へとつながっていきます。
そのため、コンディショニングジムアートでは、スクワットやヒップヒンジなどのトレーニングを「できるようにすること」だけを目的にはしていません。
例えば、
スクワットで身体を支える
→ スプリットスクワットで左右差のある姿勢をつくる
→ 片脚で身体を支える
→ 前方へ重心を移動する
→ 一歩踏み出す
→ 歩行へつなげる
というように、徐々に実際の動作へ近づけていきます。
腰椎椎間板ヘルニアだからといって、腰を固めたまま生活することがゴールではありません。
腰だけに負担を集中させず、股関節や足部、骨盤、胸郭など身体全体を使いながら、自然に前へ進める状態を目指します。
ゴールは「腰を守ること」ではなく、もう一度自由に動けること
腰椎椎間板ヘルニアに対するコンディショニングをまとめると、
① 圧迫ストレスを取り除く
② 動くことへの恐怖を取り除く
③ 動作の選択肢を増やす
④ 獲得した動作を歩行につなげる
という流れになります。
痛みがなくなることだけがゴールではありません。
しゃがむ、立ち上がる、片脚で支える、重心を移動する、そして歩く。
一つひとつの動作を取り戻し、それらを日常生活の中で自然に使える身体にしていく。
コンディショニングジムアートでは、「痛みを避ける身体」から「自分で動きを選べる身体」へ変えていくことを大切にしています。
痛みを取るだけではなく、「また動ける身体」へ
腰椎椎間板ヘルニアのコンディショニングでは、
① 腰にかかる圧迫ストレスを減らす
② 動くことへの恐怖を減らす
③ 動作の選択肢を増やす
④ 獲得した動きを歩行につなげる

この4つのステップを大切にしています。
痛みがなくなることだけがゴールではありません。
身体にかかる負担を減らし、安心して動ける状態をつくり、さまざまな動作を獲得する。そして最後は、それらを「歩く」という日常動作の中で自然に使えるようにしていきます。
コンディショニングジムアートでは、症状だけを見るのではなく、その先の日常生活まで見据えて「また動ける身体」をつくることを大切にしています。